例年より遅い梅雨入りをして、ワールドカップ熱に沸く今日この頃、貴重な休みを利用して、ある村の環境を考えたプロジェクトのボランティアに参加した。
その「藤野里山長屋プロジェクト」は、自然豊かな山里にただいま建設中で今は、竹小舞を作る作業と土壁を塗る作業をしている。
その建設中の建物の概要は、出来る限り地元でとれる木材を使い、継ぎ手も金物を使わずに、組木を使って造られている。伝統的な昔ながらの木造在来軸組工法である。
規模は4世帯それぞれの住居と共用棟が横一列に連なる長屋で、各棟ごとに雁行していて、屋根はシンプルな切り妻ながらも、棟の高さがそれぞれの棟で違うため、全体的にリズミカルで面白いファサードになっている。
外壁や内壁は土壁で造られ、建材のほとんどはリユース、リサイクル可能。
特に知っての通り、土壁は何度でもリユース可能で、むしろ使用済の土壁を練り合わせることで強度が増すという。
地盤で例えると沖積層の地盤より洪積層の方が圧縮されているので強度があるのと同じといことだろうか。
土壁作りは材料となる、土探しから、竹やワラの調達まで、まともにやったら、時間と手間のかかる工程である。
安く、早く、量産的に建てる住宅とは間逆である。
その建物に沢山の時間と人出が要している為その分付加価値がついている。お金では変えられない素晴らしい価値がある。
そのプロセスに参加できたことは、建築を学ぶものとして、とても貴重な体験だった。もっとこのようなプロジェクトに参加するプロジェクトを増やしていけたらと思う。
タイトルのサステイナブルとはLCAにおいてインプット・アウトプットの環境負荷が少なく、省エネで3Rを基本とし、その地域や気候・伝統・文化に調和しつつ将来にわたり人間の生活の質を適度に維持・向上させる建築物のことで、まさに「藤野里山長屋プロジェクト」はサステイナブル住宅である。